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moguestの思いつき備忘録

ふと思いついたことや見知った数理工学系の知識をためていく予定のブログです.面白ければなんでもあり.

あなたは何通り知っている?ガウス積分の導出1

ちょっと私事が忙しかったので,久しぶりの更新になります.


ガウス(Gauss)積分,有名ですよね.
おそらく,不定積分を初等関数で表せない積分のうち,ガウス積分は最も有名と言っていいと思います.
\[
\int_{-\infty}^\infty e^{-x^2}dx=\sqrt{\pi}
\]という公式ですね.
統計学をはじめ,様々な学問で必須の知識だと思いますし,
高校生でも正規分布の式は知っていると思います(確か現行の指導要領にもありましたよね).

有名な公式の証明というのは,えてして沢山の導出方法が知られているものです*1
ガウス関数についてもそれは例外ではなく,沢山の導出方法が知られている,らしい,です.

…しかしながら情けないことに,僕は今までたった1通りの導出方法しか知りませんでした.


【証明1】極座標系に置換積分する方法
\[
I=\int_{-\infty}^\infty e^{-x^2}dx
\]とおき,$I=\sqrt{\pi}$を示せばよい.そこで,積分
\[
\int_{-\infty}^\infty\int_{-\infty}^\infty e^{-(x^2+y^2)}dxdy
\]
を考える.これは
\[
\int_{-\infty}^\infty e^{-x^2}dx\int_{-\infty}^\infty e^{-y^2}dy=I^2
\]
と変形できる.また,極座標系$r,\theta$を用いて
\[
\int_0^{2\pi}\int_0^\infty e^{-r^2}rdrd\theta
\]
と変数変換することができる($dxdy=rdrd\theta$より,積分可能な関数に帰着されることがポイント).
したがって
\begin{align}
\int_0^{2\pi}\int_0^\infty e^{-r^2}rdrd\theta&=\int_0^{2\pi}d\theta\int_0^\infty re^{-r^2}dr\\
&=2\pi\left[-\dfrac{1}{2}e^{-r^2}\right]_0^\infty\\
&=2\pi\cdot \dfrac12=\pi.
\end{align}
これらのことから$I^2=\pi$が成立し,$I=\sqrt{\pi}$が示された.


広義積分ですから本当はもっと厳密にできる,というかやったほうがいいんでしょうが,
割とこの程度の説明で済ます教科書が(少なくとも工学書には)多いです.
おそらく,多くの本やサイトで紹介されているメジャーな証明といえば,これなんじゃないでしょうか.
必要な知識が多重積分の変数変換ぐらいだから比較的初学者にとっつきやすく,簡便であることが理由でしょうね.

もちろんここではこの超有名な証明で話を終えるつもりは毛頭なく,
もっとマイナーな証明に光を当ててみたい!というのがこの記事の趣旨です…ですが.
ここから新たな証明に入るとなんだか長くなりそうなので,いったんここで打ち切ります.
他の証明は次の記事にて!

*1:有名なのは三平方の定理でしょうか.100通り以上あると言われています.