moguestの思いつき備忘録

ふと思いついたことや見知った数理工学系の知識をためていく予定のブログです.面白ければなんでもあり.

友円数の作り方

(8,3,7),(8,5,7),(5,3,7),…
この数の並びをご存知でしょうか?
この数を3辺の長さに持つ三角形は,どこかに60°または120°が現れることが知られています.
これらの数の組を友円数と呼ぶ人もいます(正式名称ではない?)
楽に60°が作れるため,高校受験問題やセンター試験なんかではとても頻出です*1

(3,4,5), (5,12,13), (7,24,25), …
ピタゴラス数と呼ばれていますが,こちらを3辺の長さに持つ三角形は直角三角形でしたね.
そういう意味で,友円数はピタゴラス数の変形版ということができます.

ピタゴラス数には「作り方」がありました.自然数$(a,b)$に対して

\[
(a^2-b^2, 2ab, a^2+b^2)
\]

ピタゴラス数になることが知られています.たとえば$(a,b)=(2,1),(3,2)$だとそれぞれ$(3,4,5),(5,12,13)$が出てきます.


実はそれと同様に,友円数にも作り方があります.
というか,作り方を僕自身が高校ぐらいの時に編み出しました.$(a,b)$に対して

\[
(|2ab-a^2|,|2ab-b^2|,a^2+b^2-ab)
\]

は友円数になります.$(a,b)$が2倍以上離れていないとき(たとえば$(2,3)$など)は60°の三角形が,
そうでないとき($(2,5)$など)は120°の三角形ができます.
片方がもう片方の丁度2倍の関係になっていると,三角形ができないので注意してください.
たとえば$(a,b)=(2,3),(1,3)$のときはそれぞれ$(8,3,7),(5,3,7)$が出てきます.

どうしてこれで友円数ができるのか,については紙面がかさむのでひとまず割愛*2
残念ながら当時の僕は「これで友円数ができる」ことは示せたものの,
「これですべての友円数の組を尽くせるかどうか」はまだ示していません.
このことに関してはちょっと気になるところですね.

あと,どうやら僕の考えた方法以外にも,友円数の作り方はあるらしいです.
他の作り方との関係を考えてみるのも面白いかもしれませんね.

*1:頻出なだけあってこれらの数字の組は有名で,「花見(873),名古屋(758),七五三(753)」といった覚え方もあります.よくこんな都合のいい日本語が3つもあったもんです.

*2:いや,これが余弦定理の式を満たすのは代入すれば明らかなんですが,なんで当時の自分がこの式を思いついたか,について割愛する,ということです.