テンソルについての本
そういえば今日久しぶりに古本屋に行って,テンソルにかんする本を買いました.
裳華房の基礎数学選書の一つ『テンソル解析』(田代嘉宏)です.
第1章第1節の一番最初の文章が
テンソル(tensor)という術語は,緊張を意味するラテン語の tensio からきている.その語源のように,テンソルは弾性体の力学の中で張り合う応力(張力)を表すために,ベクトルより一般の量として初めて登場した.
から始まっていたのがなんとなく印象的でした.
今まで自分はテンソルにまともに触れたことがなく,むしろ
「得体のしれないヤツ」として敬遠していた節がありますが,
上のように書かれると,なんのことはないただの張力を表すための道具か,なんて少し安心してしまうのだから不思議です.
ぼくは前書きとか章の最初の導入部分とか,そういう「つかみ」の部分で本を選ぶので,
こういう「つかみの巧い」本にはわりと弱いです.
というか,著者が一貫している本の場合は,文章のクセとか表現力は本のはじめからおわりまで一定なので
前書きを読めば読みやすい本かどうかわかることが多いですね.
買っておいてなんですが,テンソルを使うような場面に出くわすことはしばらくのうちはないと思うので
当分の間はお部屋のインテリアになりそうです.